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プレミアリーグ選手引退後の人生

ファイナル・ホイッスルの後に 1    

フットボールカルチャー > プレーヤー特集 > ファイナル・ホイッスルの後に 1

現役から引退したからといって、必ずしもフットボールプレーヤーの黄金時代が終わったわけではないのかもしれない。

1995年のFIFA年間最優秀選手であり、ACミラン(AC Milan)やチェルシー(Chelsea)などで活躍した有名なストライカー、ジョージ・ウェア(George Weah)は、2001年にマルセイユ(Marseille)を最後に現役から退いた。その後、ウェアが歩んできたのは、どちらかというと一風変わった道だった。まずは、戦火に引き裂かれた母国リベリアの大統領選に立候補したことが挙げられる。

アフリカ大陸が生んだ最も優秀なプレーヤーといわれるウェアは、昨年の大統領選で最有力候補だったが、アフリカ大陸初の女性国家首脳となったエレン・ジョンソン=サーリーフ氏に破れた。とはいえ、多くの有権者が、リベリアで最も有名なフットボールプレーヤーであるウェアの人道的努力と知名度が、国家運営に必要な資質をしっかり満たしていると考えたのである。

政治家からパブのオーナーまで
フットボールの現役を引退して政治の世界に足を踏み入れたプレーヤーは、ウェアが最初ではない。これまでに、ペレ(Pele)もジーコ(Zico)も政界入りを果たしている。だが、最も野心的だったのは、間違いなくウェアだろう。普通の人間は、35才でキャリアの最盛期を迎えるが、フットボールプレーヤーの場合、現実はもっと厳しい。近ごろは、試合に出してもらえるのはより若くて体力のあるプレーヤーばかりで、本人が認めたくなくても、35才ともなれば全盛期は終わっているのである。

だがもちろん、今時のプレミアリーグの富豪選手たちが、引退してから生活に困ることはない。彼らには、現役初期のころから特別な恩給がお膳立てされている。また、引退前には選手に敬意を表して表彰試合が行われ、その収益が寄贈されるため、彼らの生活は当面のところ安泰なのである。そんなフットボールプレーヤーたちが、引退後にパブを開いたり、スポーツクラブに投資するのはよくある話だが、これよりもっと大きな成功の道を行く有名人たちが大勢いるのも事実である。

指導者への道
引退した選手にとって、指導の道に進むのは理にかなったことではあるが、意外にも、指導者として成功したトッププレーヤーは数えるほどしかいない。プレミアリーグ四大クラブのモウリーニョ(Mourinho)、ベニテス(Benitez)、ファーガソン(Fergerson)、ベンゲル(Wegner)監督はいずれも、現役時代はこれといって活躍したわけではなかった。

しかし、ドイツ伝説のプレーヤー、フランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)は、例外である。デア・カイザー(皇帝)の異名をとるベッケンバウアーは、1974年ワールドカップでキャプテンとして優勝を味わい、1990年には監督としてふたたびワールドカップの栄光を手にしたのである。史上最高プレーヤーのひとりといわれている巨匠ベッケンバウアーは、ワールドカップ招致委員会会長として、今年の本大会のドイツ招致にも成功したのであった。

ハリウッドFC
現役生活が終わりに近付くと、これまでにも多くのプレーヤーが銀幕の世界に惹かれていった。マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の英雄エリック・カントナ(Eric Cantona)は、ケイト・ブランシェット主演の映画『エリザベス』(1998年)に、‘思い悩む外国人大使’の役で特別出演した。硬派のヴィニー・ジョーンズ(Vinnie Jones)は、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)と『スナッチ』に出演してハリウッドに旋風を巻き起こし、今年公開の『X-MEN 3』にも出ている。

さらに、プレミアリーグの華やかなスターのひとり、スタン・コリモア(Stan Collymore)さえもが、シャロン・ストーンの主演で今年公開予定の『氷の微笑』続編に出演することになっている。

もうひとつの才能
おそらく、引退した英国人フットボールプレーヤーの中で、最も多くのメディア作品に登場しているのは、エバートン、そして名古屋グランパスエイトのヒーロー、ゲイリー・リネカー(Gary Lineker)だろう。

イングランド歴代2位の代表得点数を誇るリネカーは、BBCのスポーツ解説者、およびお笑いクイズ番組『They Think It's All Over』のチームキャプテンとして、マスコミの世界で大活躍している。長年にわたってポテトチップのイメージキャラクターでもあるリネカーは、最近は、『機関車トーマス』風のBBCの子ども向け新番組『地下鉄アーニー』で主役アーニーの声優を務め、新たな才能を披露している。

第二の人生の可能性
ジョージ・ウェアの大統領選敗北を受けて、専門家は、「ウェアが大学を出ていないことが敗因だ」と結論づけた。これは、引退したフットボールプレーヤーの多くが直面する問題であり、結局リベリアの有権者は、知性という面でウェアが大統領の職をこなしきれるのか確信が持てなかったのである。

選挙に破れたとはいえ、ニューヨークで‘フランキー・クラスト’というレストランを経営していたウェアには、フード業界で一旗揚げようという野望もある。手広くいろいろなことに関わっている者にとって、引退は限りない可能性を切り開いてくれるのである。

2006年3月
ベン・ラプトン

ファイナル・ホイッスルの後に
パート2 :Jリーガー引退後の人生

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